訪日経験のある中国人の8割が旅行前に「買い物リスト」を作成していることが明らかに一方、9割を超える訪日経験者が、商品パッケージなどに惹かれて”衝動買い”を経験
中国・台湾などの海外プロモーション・インバウンド支援を行うインタセクト・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:譚 玉峰、以下 インタセクト)は、中国消費者のインサイトを捉えるべく、このたび18歳以上の中国本土在住者を対象に、訪日時の非計画購買に関する調査を実施しました(回答者数:2,103人)。本ニュースリリースでは、その調査結果を発表いたします。
■回答者の属性について
本調査は、2023年10月5日にテンセント社が提供するメッセンジャーアプリ「Wechat」上のアンケート機能を使用し、18歳以上の中国本土在住者(回答者数:2,103人)を対象に実施しました。対象地域は上海、北京、深州、重慶、広州、蘇州、成都、武漢、杭州、南京で、回答者2,103人のうち、コロナ前(〜2019年)に訪日した人は570人、コロナ禍(2020年〜2022年)の訪日が247人、2023年以降が86人でした。(複数回答。訪日経験があると回答したユニーク数は873人)。
■主な調査結果(アンケートのサマリー)
本調査では、訪日経験のある中国本土在住者のおよそ8割が訪日前に「買い物リスト」を作成していることが明らかになりました。そのうち6割が具体的な商品のジャンルや商品名を選定しています。しかし、訪日中には「買い物リスト」にない商品を衝動買いする人が9割以上に上り、商品パッケージなどの魅力によって購買意欲が高まっていることが判明しました。
訪日経験のある人の80%が旅行前にリストを作成
中国在住者の訪日時の買い物リスト作成に関する調査結果から、837人の回答者のうち、86%(720人)が買い物リストを作成したことが明らかになりました。そのうち、旅行計画段階でリストを作成した人は44%(365人)、訪日直前に作成した人は36%(298人)で、それらをあわせると、訪日前にリストを作成した人の割合は80%(663人)でした。一方、訪日中にリストを作成した人は7%(57人)で、買い物リストを作成せずに訪日中に店舗で決めた人は14%(117人)でした。
「買い物リスト」、項目分けは「商品ジャンル」や「具体的な商品名」
本調査では、「買い物リスト」を作成する際、多くの人が事前に購入したい商品のジャンルや具体的な商品名を決めていることが明らかになりました(複数回答)。具体的には、購入したい商品ジャンルが63%(451件)、購入したい具体的な商品名が62%(443件)で、購入したい商品のメーカー名も28%(203件)が挙げています。
さらに、買い物リストに挙げられる商品やジャンルについての調査結果(回答対象者はリストを作成した720人、複数回答)では、化粧品が最も多く67%(484人)であり、次いで食料品が47%(341人)、お菓子類が34%(244人)でした。また、医薬品が28%(203人)、飲料・酒が27%(192人)となっています。
一方で”衝動買い”を経験した人は9割を超える
多くの訪日経験者が、訪日前に具体的な「買い物リスト」を作成していた一方で、「店舗にて初めて出会って衝動買いをしたか」については(回答対象者は720人)、96%(688人)が「衝動買いを経験した」と回答しています。そのうち、17%(124人)は「リストになかった商品」を購入。45%(320人)は「(店舗で)リストにあった商品とリストになかった商品の半々くらいを購入」と回答しました。「衝動買いはしたがリストにある商品のほうが多かった」と回答した人は34%(244人)でした。
「リストにある商品だけを購入した」と回答した人は3%(24人)と極めて少数でした。
衝動買いでも一番人気は化粧品、続いて食料品
事前の「買い物リスト」でも人気の高かった化粧品、食料品ですが、「衝動買いで購入した商品」(回答対象者829人、複数回答)においても、高い人気でした。1位は化粧品で43%(358人)、食料品は32%(267人)で2位でした。
3位以下も「買い物リスト」と似た顔ぶれで3位がお菓子類(32%、267人)、4位が飲料・酒(20%、167人)、5位が衣料品(20%、164人)でした。
事前の「買い物リスト」で人気の高かった医薬品は15%(125人)でした。
衝動買いのきっかけ、購入の決め手は「マーケティング戦略」
「店舗にて衝動買いをしたきっかけ、決めて」について(回答者829人)、最も多かった回答は「元々欲しいと感じている商品だった」(27%、217人)と並んで「商品パッケージに魅かれた」(27%、217人)が1位でした。さらに「商品紹介のPOPに魅かれた」(9%、75人)、「商品紹介のポスターに魅かれた」(7%、55人)と、「店員の勧め」(4%、29人)と、マーケティング戦略によって購買につながっているケースが多いことがわかりました。
まとめ
今回の調査結果では、8割以上の中国在住者が訪日前に「買い物リスト」を作成していることが明らかになりました。そのリストの多くには、化粧品や食料品などが含まれています。一方で、衝動買いについても、9割を超える訪日者が経験しており、「買い物リスト」と同様に化粧品や食料品などが人気でした。この衝動買いのきっかけは、商品のマーケティング戦略に促されるものが多く、「商品パッケージ」「商品のポスター」「商品のPOP」などによって、購入意欲をかきたてられた経験のある人が多くいることがわかりました。
訪日観光客に向けてのプロモーションとして、来日時の買い物リストに自社の商品が入り込むための認知施策は重要ですが、来店後の商品との出会い、いわゆる店頭(リテールメディア)を活用した形でのプロモーション施策も重要とはいえます。